2022年11月27日 若林市民センター ホール
みなさんは、自分の住んでいる地域の高低差を考えてみたことはありますか?
貨物列車の走る高架橋。遊びに出かける公園。猫が昼寝する建売住宅の庭。
いつも目にしている路地裏に川から水が溢れてきたら?
海から津波が押し寄せたら?目の前にあるいつもの光景はどこまで水に沈んでしまうのだろう?そしてどこを目指して逃げればいいのだろう?
そんな疑問の解答になるのが、市が発行しているハザードマップです。
ハザードマップには水害や土砂災害のおそれがある区域が色分けで掲載されています。
ダンボールを標高別で切り抜いたジオラマを組み立てることで地域の地形を知り、そのハザードマップを見ながら防災について考えてみるイベントが、近隣に住む親子を対象に若林市民センターで開催されました。
当日の様子をレポートします。
講師の先生と一緒に防災について楽しんで学んでもらえればと思います。楽しく体験してもらって「こんな時にはこうすればいいんだ」と、ひとつでも感じて帰ってもらえれば幸いです。
皆様は、仙台市のハザードマップをこれまでに見られたことはあるでしょうか?
ここ数年、日本各地では土砂災害や大雨の水害などが頻発しています。特に今年8月には宮城県内で大雨による災害が発生し、大崎市や松島町では大規模な浸水や崖崩れで大きな被害が起きています。
近年は大雨による被害も激甚化する傾向があります。今日のワークショップでは、ハザードマップの内容を参考に、災害が発生した時はどのようなリスクがあるのかを確認していただければ幸いです。
関東から新幹線でやってきまして、少し早く着いたので、センターの周りを散策しました。平坦な地域なのだなと歩いていて分りました。
今日は段ボールを積み重ね、若林地区のジオラマを作ります。そしてそれを見ながら地域の危険を学びます。
自分の家の周りはすぐ分かると思いますが、ちょっと路地に入ったりするとどっちが高い場所なのか、大人でも分からなくなります。特にこの若林地区は高低差が少ないのでなかなか分かりにくいです。
標高ごとに事前に準備された段ボールを、参加者の皆さんが重ね、ジオラマを製作しました。
ダンボールを1枚積み重ねると2メートルの標高差になります。
完成した若林地区のジオラマを見てみると、真ん中に広瀬川が通っていますがおおむね平ら。西側の河原町周辺がやはり高く、川の中が低い。街の中にも少し高低差があることがわかりました。
そしてジオラマを見ながら、「この場所は、大雨になると水がいつも溜まる」「ここは低いから、洪水の時には水が溜まるのでは?」など、この辺が危なそうだという場所を思い浮かべ、付箋を貼ってもらいました。
歴史の中にいろんな記録がある。歴史は繰り返される。それを学ぶのも大切です。
ジオラマ製作後、実際のハザードマップを見て、自分たちで作ったジオラマと見比べてみました。
広瀬川が氾濫すると市民センター周辺は、ほとんど全域が洪水・浸水の恐れがあります。一部の地域では、3メートル以上の浸水が想定され、建物の一階全てが水没してしまいます。
また、川が増水することにより、町内の排水ができなくなり氾濫する「内水氾濫」の危険もあります。ハザードマップから、若林地区も内水氾濫のおそれが多くあることがわかります。
最後に、参加者全員でハザードマップに載っている浸水のおそれがある場所を、ジオラマに色付けしました。
災害にはいろんな種類があります。地震や台風など。その中で洪水は、予測の出来るものです。洪水は備えることが出来るので、日頃から学習して早め早めの行動が可能です。洪水の場合にやってはいけないことは川を見に行くこと。用水路などの小さな流れでもどこにあるかが分からなくなっているので、大雨の際には水のある場所に近づかないようにする。避難する時にも、指定の避難場所が孤立する場合もあるので、浸水エリアを確認して早めにエリアの外に逃げることも大切です。自宅がマンションなど高い場合は、自宅に留まった方が安全なこともあります。早めに対応することで、動ける範囲が大きくなるのです。「いつどのタイミングで避難しようか?」を、知り合いや親戚と共有しシミュレーションしておくと安全です。
段ボールジオラマを使い、身の回りの災害リスクを確認するイベントの様子をお伝えしました。
今回取り扱った「段ボールジオラマ」や「ハザードマップ」も、災害が起きてもそれを乗り越える「災害文化」の一つの顕れです。
皆さんも、ハザードマップの確認や、普段の散歩の際に周辺を確認するなど、いま一度身の回りの災害リスクを確認してみてはいかがでしょうか。
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