中心部震災メモリアル拠点

中心部震災メモリアル拠点の基本的な理念―“災害とともに生きる文化の創造”“災害文化”とは―災害は発生するものと認識した上で、災害が起きても、それを乗り越える術を持つ社会文化中心部震災メモリアル拠点の基本的な理念―“災害とともに生きる文化の創造”“災害文化”とは―災害は発生するものと認識した上で、災害が起きても、それを乗り越える術を持つ社会文化

― 仙台市中心部震災メモリアル拠点検討委員会報告書より

東日本大震災から10年を超える年月が経過しました。
人々から震災の記憶が風化していく中、震災の記憶や経験をそのまま伝えるだけではなく、それを未来につないでいく視点がより重要性を増してきています。

仙台は、記録が残っている限りでも、西暦869年の貞観地震、1611年の慶長三陸地震による津波で大きな被害を受けました。さらに、約30年ごとに繰り返すと言われている宮城県沖地震や、発生が危惧される長町―利府断層の直下型地震、河川の氾濫による水害など、今後も災害が繰り返し発生し得る都市です。

一方で、脱スパイクタイヤ運動をはじめ、市民力で課題に挑み、克服してきた市民協働のまちであり、東日本大震災による被災各地とつながる拠点性や、知的・経済的資源が集積する特性を持つ都市でもあります。

これらの特性を活かして、仙台ならではの「災害文化」を創造し、継承していくことは、東日本大震災における被災地最大の拠点都市として、また2015年第3回国連防災世界会議における仙台防災枠組採択都市として果たすべき責務です。

令和4年1月、仙台を象徴するエリアの一つである青葉山エリアを建設予定地とし、中心部震災メモリアル拠点と音楽ホールを複合整備する方針が示されました。東日本大震災がもたらした大きな痛みに寄り添い、心を癒し、そして復興へ立ち上がる力となった「芸術文化」と、震災を契機にその必要性が再認識された「災害文化」は、ともにこれからの社会を生きていくために必要な技(わざ)・文化であると言えます。仙台の経験から生まれ、そして今後も創り出していく二つの文化を融合、発信し、仙台の新たなシンボルとなる複合施設となるよう、着実に検討を進めてまいります。

検討経過

2014(平成26)年12月 仙台市震災復興メモリアル等検討委員会報告書(PDF:2.56MB)

震災復興計画に掲げられた仙台市のメモリアル事業を具現化するため、仙台市震災復興メモリアル等検討委員会が設置され、2014(平成26)年12月には市長に報告書が提出されました。報告書において、震災の記憶と経験を未来や世界へとつないでいくために、継承のための拠点が必要であり、仙台市中心部には「震災の記憶と経験を収集・編集・発信する拠点」を、沿岸部には「津波被害を受けた現地を訪れ、震災の記憶と経験を知り学ぶ沿岸部回遊の出発点となる拠点」の2拠点を整備し、それぞれの特性を生かしながら事業を推進することが有効との提言がなされました。

拠点展開イメージ

・仙台市震災復興メモリアル等検討委員会での議論の経過(仙台市ホームページへ)

2021(令和2)年10月 仙台市中心部震災メモリアル拠点検討委員会報告書(PDF:3.69MB)

中心部拠点について有識者等の意見を踏まえて検討を行うため、2019(平成30)年12月に中心部震災メモリアル拠点検討委員会を設置しました。2020(平成31)年1月から計10回の委員会を開催し、中心部拠点のあり方や必要な取り組み、取り組みを展開するための仕組み等について議論を重ね、2021(令和2)年10月に市長に報告書を提出しました。

報告書では冒頭にあるような基本的な理念が示されるとともに、本拠点において柱とすべき4つの取組みが示されました。
① 地域や主体ごとに異なる経験の蓄積・発信・共有
② 世代を超えた記憶継承の機会づくり
③ 新たな知恵の想像と社会への実装
④ 広域的にひろがる被災地のゲートウェイ

また、本拠点における取組みを展開するための仕組みが“記憶と継承と創造の樹”と題して提言されました。
① 災害の記憶を保ち、創造や創造の土台となる“記憶の根”
② 東日本大震災の記憶を日常につなぎ表し続ける“継承の幹”
③ 災害を乗り越える知恵の創造を喚起する“創造の枝”

事業展開の仕組み「樹」

・仙台市中心部震災メモリアル拠点検討委員会での議論の経過(仙台市ホームページへ)

2022(令和4)年1月 立地場所、音楽ホールとの複合整備の決定(仙台市ホームページへ)

新型コロナウイルス感染症による社会状況等を踏まえつつ、持続可能な運営や整備手法等について検討を継続する中、令和4年1月、青葉山交流広場を建設予定地として、中心部震災メモリアル拠点と音楽ホールを複合整備することを決定しました。

2022(令和4)年8月 国際センター駅北地区複合施設基本構想に関する懇話会の設置(仙台市ホームページへ)

音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点との複合施設を行うために、有識者の意見を踏まえた基本構想を策定するための懇話会を設置することとしました。
音楽ホールは文化芸術の総合拠点として、また、中心部震災メモリアル拠点は災害文化の創造拠点として、それぞれが期待される役割を果たすとともに、これまでにない仙台の強みや魅力を相乗的に生み出す施設を目指し、検討を進めてまいります。

2023(令和5)年7月 (仮称)国際センター駅北地区複合施設基本構想の策定(仙台市ホームページへ)

音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設整備の基本的な方向性を定めた「(仮称)国際センター駅北地区複合施設基本構想」を策定しました。
現在、基本構想を基に、整備方針をより具体化する基本計画の検討を進めております。

※中心部震災メモリアル拠点の検討状況は、以下のURLよりご確認できます。
https://www.city.sendai.jp/shinsaifukko/hukugoushisetsu/kentou/kentoujyoukyou.html

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